猫はなぜ喉を鳴らすのか
猫の「ゴロゴロ」は、たまらない安らぎを私達に与えてくれ、精神的な疲労を癒してくれます。 今回は、「猫たちの隠された生活」(草思社)エリザベス・M・トーマス著、木村博江訳から抜粋してご紹介致します。
ゴロゴロと喉を鳴らすのは、コミュニケーションである。猫族のこの素晴らしい特徴については、語りつくせないほどだ。それは、恐らく母猫と子猫のあいだに交わされる最初の、そしてきわめて大事な信号である。 子猫たちは、母親の乳房の匂いを嗅ぎわけ母親の体をまさぐりながら、その暖かさと一緒にこの振動感を感じとる。小型の猫族が人間に対して喉を鳴らすのは、母親に向かって喉を鳴らすのと同じ理由だと思われる (安心の表現であり、猫にとっては、人間が微笑むのと同じ意味を持っている。面白いことに猫のゴロゴロという音が人間を嬉しがらせるように、人間の微笑みも猫を嬉しがらせるようだ) つまり、わたしたちの信号は交差し相互に理解しあえるわけである。
さらに興味をそそられるのは、猫は重い病気にかかったり痛みを感じたりする時にも、喉を鳴らす。喉を鳴らすことは、阿片に似た作用を持つエンドルフィンを発生させる働きと関係があるらしい。大型猫(ヒョウ・トラ等)が喉を鳴らさないと思われているのは、コミュニケーション手段を自分の子に対してしか使わないためではないだろうが、人間がそういう場面に居合わせることはまずないので、その音を聞くこともめったにない。そして、一般に猫はだれかその音を聞いてくれるものがそばにいなければ、喉を鳴らさない。
この本は、人類学者トーマス氏が、トラやライオンなどとの対比を通して「狩をする」動物、猫の本質に迫る猫好きにとって興味ある一冊です。ご推薦致します。

このページの画像、文章、全ての無断転載を禁止します。
Copyright (C) 2000 ACTICE Corporation. All Rights Reserved.